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小説を書くことはいつでも「特別」なこと。爆笑問題×村上龍 日曜サンデー対談書き起こし

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現状を変えるためのテロという手段

太田:村上さんはいつもね、「コインロッカー・ベイビーズ」も「69」もそうなんだけど、常にこの、今ある世界をどこかぶち壊そうとしてる、っていうのがテーマでしょ?

村上:そう…ですね。なんか…

太田:成長してないですよね、そういう意味じゃ。考えてることは。
一同:笑

村上:ま、それは…知識は増えてるんだけど…
太田:だから「あの手、この手」になってるじゃないですか。

村上:うん、でも、実際に破壊したら犯罪者になっちゃうけど、小説で書く分には…
太田:いや、それはそうだと思うんですよ。でもその小説内でも、例えば「コインロッカー・ベイビーズ」なんかテロですよね、まさに最後の方は。
でも、「半島を出よ」の時なんかは、いち国家を、流通してるお金が信用出来れば、それで外国とも商売できちゃうんだぜみたいなところで、ちょっとずつ成長が見られるんですよ。

田中:何なんだよ、お前は。笑

太田:ほんっと生意気な言い方で申し訳ないんだけど、俺もやっぱり、最初はテロだと思うのね。最初に考えつくことって。現状を変えようと思ったら、これはぶち壊すしかねえと。でも、いやこれ無理だな、押し潰されるな、と。
っていうのは、社会ってもう大人がうわーっと居て、こんな1人のテロじゃとても国家転覆なんて出来ないとなったときに、今度はじゃあ、政治の主流の方に上手く入り込んで騙して。その上から変えていくっていうことしかないんじゃないかって。
徐々にこの「あの手この手」のやり方が変わっていくのが、まさに龍さんのやり方が成長してるというか…「これならいけんじゃねえか」みたいな。

村上:あとあの、コンピューターとかITとか、まったく新しいツールが出来ると、若い人にとって有利なんですよね。それを使いこなすのは若い人たちなんで。
太田:そうですよね。

村上:だからそういった意味でもちょっと、小説のモチーフは変わってくるし。あとはその、日本人全体の民度っていうか、こう、民主的な知識が増えるとまた変わってくるんじゃないかなと思うんですよ。今相当、民度は僕上がってると思うんで。
太田:日本人の?
村上:ええ。昔に比べたらですよ?だからまあ、そんなに皆馬鹿じゃないですよね。

締切はきちんと守ります

太田:締切は守る方ですか?
村上:締切は僕、結構きちんと守りますよ。

太田:あ、やっぱりねぇ。何かそんな感じしますよね。何かこうパソコンとか全部駆使して、どんどん新しいことを取り入れる人だから。そのへんは軽々と、書いてる気がしますね。
村上:いや、軽々とは書いてないですけど。笑
書くのは早いです。
太田:書くの早いですよね。

外山:締切って言っても、どれくらい(の頻度)で締切ってあるものなんですか?全く分からないんですけど。

村上:月刊誌は(毎月)何日って。新聞とかになると毎日毎日。

太田:うん、だからそういうのもね、適当にやれちゃう感じがね。こっちから見てるとね。笑
田中:笑
太田:なーんかね、軽々とやってる。そこが悔しいところなんですけど。ひーひー言ってない感じがする。
田中:ひーひー言ってんじゃないですか?村上さんだってそりゃ。

小説を書くことは日常的な行為ではない

田中:休みの日とかは何されてるんですか?
村上:僕、毎日が休みみたいなものなんで。それで、小説書いたりするのも、まあ仕事なんでそれでお金もらってるんですけど、その、なんていうのかな、僕にとって日常的な行為じゃないんですよ。毎日毎日小説書くっていう、時間を決めてもいないし。だから未だに、小説を書くっていうのは僕にとって特別な行為なんですよ。

一同:う~ん。
村上:だから休みっていう意識があっても、今日書こうかなとか、書かなきゃいけないなって思うと書いちゃうんですよね。で、基本的に小説書くの好きじゃないんですよ。

太田:好きじゃない?

村上:好きじゃないけど、一番自分にとって充実感があることなんですよね。それやることによって得られる充実感より大きな充実感は他に無いから。しかもそれ以上にお金稼げる道も無いんで、やってますけど。好きっていう範疇じゃないんですよ。
一同:うんうん。

村上;それ取られたら困る、生きていけないっていうものではあるんですけど。好き、とかいうんではない。

太田:気持ちよくなるために書く、みたいな?
村上:全然気持ちよくないですよ。

太田:でも気持ちよくなってる瞬間絶対あるでしょ?後半だーっと、場面がどこ行くかわかんないみたいな。

村上:あれは気持ちいいっていうより何か…何かと何かがこう、化学反応起こして、ずっと書き続けていないと生まれないような文章表現がだーっと続いていく時があって、それはまあ、刺激的ですけど、気持ちよくはないですね。だから…

太田:SEXのほうが気持ちいい?
村上:そうそう。笑

***
書くことは「好き」という範疇の枠外にある、というのは以前に紹介した「無趣味のすすめ」というエッセイでも書かれていました。

でも、変な言い方なのですが、私は村上龍の「書くことは好きではない」という言葉に救われたような気がしました。
書くことが好きではなくても、「書いてもいい」んだと。

「好きなことをやること」が絶対的な正義かのように叫ばれる時代ですが、「自分は何に一番充実感を感じるのか」ということを今一度見直そうと思えました。

まだまだ続きます!

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コメント

  1. […] 参照:「小説を書くことはいつでも「特別」なこと。爆笑問題×村上龍 日曜サンデー対談より」 […]