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文句があるんだったら、ミック・ジャガーに直接言え

えらく大仰なタイトルだが、これは村上龍のエッセイ「すべての男は消耗品である。Vol.6 蔓延する偽りの希望」から引用した。

 昨年、ムーディーズが日本の国際の格付けをワンノッチ下げた。不思議なことにそれほど話題にならなかったが、おじさん系の雑誌の中にはそれに対して怒る人が大勢いた。ムーディーズの体質に意義を唱えたり、本当に信頼性があるのかといったことが書かれていた。
 当たり前のことだが、日本語で書かれた日本人しか読まない雑誌にそういうことを書いても、当のムーディーズは痛くも痒くもない。
 以前酒の席で、わたしの年下の友人たちが、ローリング・ストーンズの日本公演について話し始めた。
 今年のストーンズはつまらなかったよな、というような話だった。
「お前ら、文句があるんだったら、ミック・ジャガーに直接言えよ。」とわたしは言った。

 大事なのは、自分の考えが相手に届くか、ということで、日本のおじさん系の雑誌がムーディーズの批判をしても、絶対に届くわけがない。

本書が発売されたのは9年前なので、書かれている内容は少し古いが、「大事なのは自分の考えが相手に届くかということだ」というのは本当にその通りだと思う。

昨日友人たちと飲んでいて、「文句ばかり言うが自分では何もしない人達」という話になり、私は村上龍のこの言葉を思い出した。

どうしてそんな話になってしまったのかはよく思い出せないのだけれど、「本人が居ないところでその人の批判をするのはアンフェアだし、姑息だ」というのがその話の一貫したテーマであった。
そして、「言うべきときに、言うべきことを言わず、影で文句を言うんじゃねえ」というのも私の友人が主張したいことのひとつだった。

このブログでも以前に書いたような気がするのだけど、世の中や会社を良くするのは自分以外の誰かであると信じこみ、傍観と批判と中傷しかしない人達が大勢いる。

そういう人達は、自ら何かを変えようとすることは決してせず、それをしようとする人達の足を引っ張る。変化の必要性を声高に叫ぶくせに、その変化を起こそうとする人達を、その人達の居ないところで批判し、中傷するのだ。

その意見に対する異議申立てがあるのならば、冷静に指摘し、そう伝えればいい。
お互い分かり合えないかもしれないし、自分のほうが間違っているのかもしれない。

だけど、本人に絶対に知られることのない安全な場所でその人の批判をするというのは、何というか、女々しいし、卑怯だ。

以前、姉に言われた言葉で今もよく思い出すものがある。

「あなたが彼女のことをどんなに想っていたとしても、それが相手に伝わらなかったら、それは想っていないのと同じだよ」

相手に伝えられて、初めて価値を持つ情報や思いというものがある。
伝えるという意思と、必要性のない言葉は、口にされるべきではない。

そして、「文句ばかり言うが自分では何もしない人達」を、彼らの居ない酒の席で、仲間内だけで批判している昨日の私たちも、同じようなものなのではないかと思った。

こちらのエントリーも:「村上龍エッセイ集「すべての男は消耗品である。」完全版が電子書籍で発売開始

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コメント

  1. […] 文句があるんだったら、ミック・ジャガーに直接言え […]

  2. […]  以前に、「文句があるんだったら、ミック・ジャガーに直接言え」という記事でも書いたけれど、姉に言われて印象に残っている言葉。 […]