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人は何かを待ち続けられるのか?ルーニー・マーラ主演映画『セインツ-約束の果て-』

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 「見たい映画リスト_20140518」というエントリーで紹介した、こちらの映画がレンタル開始になっていたのでさっそく観た。

セインツ-約束の果て-

ドラゴン・タトゥーの女』で一躍有名となったルーニー・マーラと、ベン・アフレックの弟で、ブラピとジョージ・クルーニーの『オーシャンズ』シリーズに出演していたケイシー・アフレックが主演の映画だ。

 あらすじは以下のとおり。

1970年代のアメリカ合衆国テキサス。そこにボブとルースという1組のカップルがいた。
2人は窃盗や強盗を繰り返しながら生きてきたが、ルースの妊娠を期に足を洗うことを決意する。だが、最後の仕事と決めた銀行強盗でミスを犯した2人は保安官に包囲され、銃撃戦へと発展してしまう。
そこでルースの放った弾丸が若い保安官の肩に命中したことで銃撃戦はますます激しくなり、ついに2人は投降する。しかしその際、ボブは保安官を撃ったのはルースではなく自分だと証言し、彼女を庇って刑務所に収監されるのだった。_Wikipedia

 残されたルースは、ひとりで子どもを生み、ひっそりと慎ましやかに暮らしていた。生まれたばかりの娘と、文字通り寄り添うようにして日々を送っていた。
 そんな二人に転機が訪れたのは、ボブが捕まってから4年後のこと。ボブに撃たれた(ことになっている)保安官がルースの前に現れ、ボブが脱獄したことを告げる。ボブはルースに会うために脱獄したのではないかと疑う保安官に、彼女はこう答える。

彼はわたしのもとには来ないわ

 このとき彼女が、保安官の嫌疑から逃れるためにこう言ったのか、100%ではなくとも「本心」として言ったのかは分からない。だが、淡々と答える彼女はどことなく何かを諦観しているよう印象があった。そういった彼女の「焦燥感」に満ちた演技は、この映画のひとつのテーマとして非常に大きな存在感を示している。

 ボブの脱獄の知らせを聞いたしばらく後、ルースはボブからの手紙を受け取る。
 それは、もうすぐしたらルースのもとに行けること、そしてその後は君と娘の三人でどこか遠くに逃げようという内容のものだった。その手紙を読んだルースは動揺し、ある決断を下す。

 ルースは、自分の思いを自らも手紙に記し、かつてボブが属していた組織のボスに「ボブが来たら渡して欲しい」と頼む。この手紙の内容が、この映画の中で一番印象的で強烈に心に残るものだった。

 この映画は、愛する二人が離れ離れになり、それぞれの場所でそれぞれの時間を生きていくというものである。二人が離れてしまうことにより、そこには避けようのないある種のギャップが発生する。同じスピードで、同じ密度の時間を送ることはできないのだ。

 ボブは刑務所の中でひたすらルースと、未だ見ぬ娘に思いを馳せる。一方ルースは、孤独に耐えつつも娘を必死に育てあげなければならない中で、自分に好意を寄せてくれる人に出会うことになる。
 人生にはどうしようもできないことが確かに存在していて、人はそれに抗うことはできないのだ。映画を見ているあいだ、どうしようもない無力感に囚われることばしばしばあった。

 最終的な感想を述べると、私はこの映画をボブとルースがひたすらに純愛を貫く物語として観た。『ドラゴン・タトゥーの女』で彼女のファンになったことを差し引いても、彼女の演技は素晴らしく、観るものをどこか切なく悲しげな思いにさせる。ボブはボブで、どうしようもないどツボにはまっていく様子が観ていてとてもつらかった。

 だからこそ、この映画のエンディングはとても悲しく、救いのないものだった。

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