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あらためて「旅」について考える、オススメの良書

 文章にその人なりのスタイルがあるように、旅にもその人なりのスタイルがある。自分にとっての「旅」とは何だろう。そんなことをふと考えてしまう秋の夜長に読みたい、オススメの良書を紹介する。

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『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』(ちきりん著)

 アルファブロガーとしておなじみちきりん(@InsideCHIKIRIN)さんの著書。学生時代からヨーロッパやアジアを貧乏旅行していたという彼女がこれまでに訪れた国は、なんと50ヶ国にも上るという。崩壊前のソビエト連邦やアフリカのサファリなど、旅行好きと言えどなかなか訪れることのできない場所へも旅をされている。

 彼女の一番の魅力というか、すごいと思うところはその「視点」にあると私は思っている。「これってなんでこうなの?」とか「これってつまり、こういうことだよね。」とか、「言われてみれば確かに!」と思わず唸ってしまうような提言をされる。その独特の視点から捉えた現実を、とことんロジカルに検証していく様が見ていてとても感心する(という言い方は失礼だけど)。

 例えば、本書の冒頭は彼女がフィリピンを旅していたときのこんなエピソードで始まる。

 ある日、その学校の生徒数名で近くのレストランに行きました。~中略~ひとりがデザートと一緒に紅茶を注文しました。ところが紅茶が運ばれてきたとたん、みんな一斉に「えっ!?」「何これ?」と驚きの声を上げたのです。理由は、運ばれてきたのが「透明のお湯が入ったカップ」と、皿の上に乗せられた「リプトンのティーバッグ」だったからです。

~中略~大半の日本人は「手抜きだ」「なんて失礼な!」と感じることでしょう。ところが、こういう形で紅茶が出てくることは海外では珍しくありません。特に中進国以下の国における、比較的高級なレストランではよくあることです。そして、もちろん私もそうでしたが、これを初めて見た日本人の大半は驚き、「なぜこのレストランは、こんな変な形で客に紅茶を出すんだろう?」と不思議に思うのです。

 ではその理由を「自分のアタマで考えて」みましょう。私たちは、なぜこういった紅茶の出し方を「ひどい!」「ありえない!」と感じるのでしょう?

 このように、「なぜ、◯◯は✕✕なのか?」「そして、そこから考えられることとは?」といった、疑問→仮設→検証→結論といった思考のプロセスを、旅をしながら、訪れた国中で行っている。「考え続けるプロセスを強化するための旅」のお手本として、本書は非常にオススメの一冊である。

『弱いつながり−検索ワードを探す旅』(東浩紀著)

 今年読んだ中でも特に良かった本。作家、批評家、思想家、哲学者など、様々な肩書を持つ東浩紀(@hazuma)さん。例のごとく、本書の存在を知ったきっかけは忘れてしまったけど、発売と同時にKindle版をダウンロードして一気に読みきった。どこか哲学っぽく、でも堅苦しくない文体と表現で、ものすごく読みやすいが示唆に富んだ内容だった。

 「旅をするのは自分探しをするためではない、新しい検索ワードを探すためだ」というのがこの本のメタメッセージである。新しい検索ワードとは何か。例えば、あなたがGoogleで何かを検索するとしよう。欲しい服でも気になる本でも好きな音楽でも何でもいい。するとGoogleは、あなたの検索履歴から「この人はだいたいこういう趣向の人だろう」という予測と目星を立て、あなたという人物像を作り上げ、あなたが好きそうなものを先回りして探してこようとする。Amazonに「あなたにはこんな商品もオススメです」というリコメンド機能があるが、あれと同じである。

 つまり、あなたが何かを調べれば調べるほど、コンピューターによってあなたという人間が「定義」されていく。「こういうのが好きなんだったら、こういうのも好きでしょ」と。

 東さんは、そんな「定義」から逸脱し、Googleでも予測できないような「検索ワード」を見つけよう、そのために旅をしようと書かれている。見知らぬ土地へ行き、今までにない体験をすれば必然的に自分が「求めるもの」も変わってくる。「新しい自分」などではなく、「新しい欲望」に出会うのだと。

身体を一定時間非日常の中に「拘束」すること。そして新しい欲望が芽生えるのをゆっくりと待つこと。これこそが旅の目的であり、別に目的地にある「情報」はなんでもいい。

旅先で新しい情報に出会う必要はありません。出会うべきは新しい欲望なのです。

 書かれていることが高城剛さんにも通じるところがあり、なおさら面白く読むことができた。こちらもオススメ。

『自分の仕事をつくる旅』成瀬勇輝著

 TABI LABOを運営されている成瀬勇輝さん(@YukiNaruse)の著書。「NOMAD PROJECT」と称して、世界中の起業家、500人超にインタビューをしながら、1年をかけて世界一周をし、ウェブマガジンにて情報を発信されていた。

 訪日メディア「MATCHA」を運営されている青木優(@yuuu_a)さんとも親交があるようで、青木さんのブログでも本書が紹介されていた。

 本書では、「テーマを持った旅」について書かれている。ただ無目的に旅をするのではなく、自分なりのテーマを設定し、そのテーマに沿って旅をしてみようと。

 なぜ今、「テーマのある旅」なのか。成瀬さんは旅にテーマを持つメリットとして以下のことを挙げられている。

  • キャリアにつなげることができる
  • ひとつのプロジェクトマネジメントを経験できる
  • マネタイズができる
  • 会いたい人に会うことができる
  • 通常では行けない場所に行けることができる
  • 発信力がつく

 これらは、自分の旅に興味を持ってもらったり賛同してもらったりして、その人たちから何かしらの支援を受けて旅を続けていくというもので、なかなか一般の人に当てはまる箇所は少ないかもしれない。ただ、「会いたい人に会いに行く旅」や「旅の軌跡をブログで更新し続ける」など、自分なりのテーマ設定の参考にはなりそうだ。

 旅 = ひとつのプロジェクトとして捉え、ただ楽しむだけではなく、自分のキャリアアップにつなげたり、何かしらのスキルを得るための手段だと考えるとまた旅の見方も変わってくる。「旅がキャリアアップにつながるわけなんてない」ではなく、「いかにしてキャリアアップにつながるような旅にできるか」という視点を持てるかというのが大事。

 本書では旅の持ち物や、実際に「NOMAD PROJECT」で会われた方のインタビューも載っていて、まるで「雑誌」のような楽しみ方もできる。若干25歳。『年下なのにすごい、という表現は間違っている』なんてエントリーを書いておきながら言うけれど、彼は間違いなく「とんでもなくすごい年下」である。

 以上、「旅」をテーマにした本でオススメの3冊を紹介した。他にも高城剛さんの著書など、まだまだオススメはあるのだけど、今日紹介した中でどれかひとつでも気に入るものがあればうれしい。

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