前回のエントリーに書いたとおり、私は小野美由紀さんのブログで「スペイン巡礼」という旅の存在を知りました。
参照:『「マオ・レゾルビーダ=未解決の人間」の葛藤と奮闘の日々を描いた自伝。小野美由紀著「傷口から人生」』
http://yskb2.com/2015/03/23/4080
「スペイン版のお遍路」というその旅の魅力について、小野さんが以下のエントリーに詳しく書かれています。
参照:『「自分探し」したい人に、スペイン巡礼の旅をオススメする7つの理由_(None)』
タイトルには「自分探し」というワードが含まれていますが、アウトドア好きな人や、仕事をリタイアした中高年の方たちにも人気のありそうな内容ではないかと思います。
さて、今日はそんな「スペイン巡礼」がテーマとなっている映画を紹介します。
アメリカとスペイン合作の映画「星の旅人たち」
本作は、2010年にアメリカとスペインの合作で制作された映画です。
疎遠になっていた一人息子が、スペイン巡礼の途中で亡くなってしまったことを知らされた父親。息子が何を思いその地に赴き、何を見、何を感じたのか。息子が辿るはずだった巡礼の道を、代わりに自分が歩こうとその地を訪れます。
息子の遺灰を旅路に撒きながら旅を続ける父親は、道中でさまざまな、個性的でユニークな人々と出会います。息子の死というショックからか、心をふさぎ込んでいた彼も、次第に周囲と打ち解け始めます。いつの間にか旅の道連れができている、これは長い距離を歩き続けるというスペイン巡礼ならではの特徴ではないかと思います。
そんな彼らと、ときにぶつかり合い、ときには救われ、父親の巡礼の旅は終わりを迎えます。息子の死という現実と、遺灰を抱えて歩き続けた父親は、最後に辿り着いた地で何を見、何を感じたのでしょうか。
同じ目的を持った人々と出会う旅
先に紹介した小野さんのブログにも書かれていますが、さまざまな人種、価値観、生き方に触れられるというのは、このスペイン巡礼の大きな魅力だと思います。普通に旅行に行っても、そこでいろんな人と知り合ったり、他人の生き方を知る機会なんてそうそうありません。
でも、このスペイン巡礼に訪れる人達というのは、その動機や心持ちこそ違えど、みな最終地を目指すという同じ目的を持っています。ただなんとなく来た人もいれば、何かを思いつめて辿り着いた人、きっかけはさまざまでも、目指す場所は同じです。ふとしたきっかけで意気投合し、その後の旅路をずっと共にするというようなことも大いにありえるのでしょう。
そういった出会いが、人にどのような影響をおよぼすのかは知る由もありませんが、それはその地に赴いたからこそ得ることのできる体験です。
小野さんの「スペイン巡礼記」と合わせてこの映画を見ると、自分もスペイン巡礼の旅に出たくてうずうずしてきます。歳をとってからでもいいから、死ぬまでに一度は歩きたい。