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【香川旅日記 直島編④】ベネッセハウスミュージアムから「南瓜」へ。景色が作品になるということ。

 地中美術館を楽しんだ後は、そのままベネッセハウスミュージアムに向かうことに。

 ベネッセハウスミュージアムは、地中美術館をさらに南へ下った、南端部分にある。地中美術館を始めとする、直島の美術館エリアを「ベネッセアートサイト直島」と呼び、あの有名な黄色いかぼちゃのオブジェ「南瓜」もこのベネッセアートサイト直島にある。

 先のエントリで紹介した通り、「直島をアートの島に」という計画には、ベネッセホールディングス(当時の福武書店)の創業者である福武哲彦氏が大きく関わりを持っている。そのため、施設の名前にも同社にちなんだ名称がつけられているのだろう。

 また、こういった「島にアートを」という試みは、直島だけにとどまらず周辺の島にも波及して取り組まれているようだ。以下のサイトより、詳細を確認することができる。

 地中美術館からベネッセハウスミュージアムまでは、無料のシャトルバスが運行していた。歩いても大した距離ではなかったけれど、せっかくなのでシャトルバスで移動することに。

20150429_ベネッセアートサイト_1

20150429_ベネッセアートサイト_2
※道中の景色

 ベネッセハウスミュージアムの近くには、ベネッセハウスオーバルという高級宿泊施設がある。なんと、部屋数は6室しかなく、そのうちの2部屋はスイートとなっている。各部屋にそれぞれ美術作品が展示されており、「日常的な場所でゆったりと過ごしていただく」ために、小学生未満の子供は宿泊できないそうだ。

20150429_ベネッセアートサイト_3

 ベネッセハウスオーバルの宿泊者は、ベネッセハウスミュージアムへの入館料が無料なのだそうだけど、凡人である私はもちろん規定の料金1,030円を支払って入館。

 地中美術館と違い、施設自体も大きく展示作品も多岐にわたっていた。地下1階から2階まで、国内外のアーティストの作品が展示されている。

 地下1階にある、ジョナサン・ボロフスキーの「3人のおしゃべりする人」という作品は、不気味ながらもおもしろかった。こういう作品をみていると、「なぜこの人は、こんなものを作ろうと思ったんだろう」と考えずにはいられない。創作者にとって作品が唯一の表現手段であるのなら、この作品を通じて何を表現し、伝えたかったんだろうと。美しいもの、綺麗なものだけが人の心を打つのではない。ときに醜悪さや、不気味さが人の心をわし掴みにすることだってあるだろう。

 私がこのベネッセハウスミュージアムでいちばん心を打たれた作品は、同じく地下1階にある杉本博司の「タイム・エクスポーズド」という作品だ。これは、美術館内から見渡せる瀬戸内海の「景色」を切り取った作品である。そう、「景色」が作品なのである。

 パンフレットの作品紹介には、このように書かれている。

杉本博司の代表作である「海景」シリーズは、「原始人が見た海を現代人も同じように見ることは可能か」という視点に基づいて制作されています。当館の作品は、この「海景」シリーズを瀬戸内海との対比関係の中で見せるよう、作家自身によって展示構成されました。

 もうこのコンセプト自体にものすごく惹かれてしまう。実際には、作品を通して瀬戸内海の景色を見る、というものなのだけど、ものすごく写真に納めたくなるような、素晴らしい景観だった。例えば、美しい景色を眼下に直接目の当たりにするのと、窓から覗くのとでは、その見え方は決して同じにはならないはずだ。「何を通してその景色と対峙するのか」ということは、「そこから見えるもの」を大きく変えてしまう。

 他にも、館内には大小様々な作品が40ほど展示されている。また、レストランやギフトショップも併設されていた。

 以下のサイトにて、作品や建築物の写真を見ることができる。

 ベネッセアートサイト直島には、美術館だけでなく、多くの屋外作品も展示されている。私が唯一知っていたのは草間彌生の「南瓜」だけだが、他にも20ほどの屋外作品が展示されていた。

20150429_ベネッセアートサイト_4

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※桟橋

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 桟橋横の岩肌に、何やら白いフレームが。あれは何だったんだろう。

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 瀬戸内海を望む海岸沿いに並ぶ美術作品は、例えば美術館内で見る「作品」とはやはり異なる。まさに「南瓜」なんかは、あの場所に、あの大きさで佇んでいるからこそ不思議な魅力を纏っているのだと思う。

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※草間彌生の「南瓜」

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※韓国人のグループが楽しそうに写真を撮っていた。

 直島で目にした美術作品たちは、私が今までに見たどんな作品とも一線を画していた。それは、私が直島という隔離された場所までやってきた、「移動」という過程を経ているというのもひとつの大きな要因だと思う。「島とアート」という組合せは、私にとってはとても新鮮で、それだけに心打たれるものがたくさんあった。

 直島の旅はまだまだ続く。

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