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私は、最悪な家庭環境で過ごした自分の子供時代を、映画にしようと決めた。映画『早熟のアイオワ』

早熟のアイオワ

 人は、自分が生まれてくる環境を選ぶことはできない。同時に、自分の親を選ぶこともできない。好むと好まざるとにかかわらず、人は一定の年齢までは、与えられた環境の中でやっていくしかない。
 恵まれた環境で育った子どもが立派な人間になるとは限らないし、劣悪な環境で育った子どもがみな犯罪者になるわけでもない。よき環境の中で堕落していく人もいるし、過酷な環境から才能を開花させる人もいる。環境が人に与える影響は多大だけれど、自分がどう生きるのかというのは、その人次第だ。

 『早熟のアイオワ』は、劣悪な家庭環境に生まれ育ちながら、たくましく生き抜こうとする3姉妹を描いた映画だ。主演は、「ハンガー・ゲーム」や「世界にひとつのプレイブック」などに出演している人気女優、ジェニファー・ローレンス。本作品の撮影時、彼女は17歳だった。妹役には、「キック・アス」や「イコライザー」に出演しているクロエ・グレース・モレッツ。今となっては二人とも有名で、出演作は日本でもそのほとんどが公開されているが、2009年にアメリカで公開された本作は日本では未上映だった。
 
 

 母親は売春婦、住んでいる家はポーカーハウスと呼ばれる賭博場で、夜になるとドラッグ、酒、女、博打を求める男女が大勢詰めかける。ジェニファー・ローレンス演じるアグネスは、そんな環境から二人の妹を守ろうと、アルバイトを掛け持ちしながら毎日を過ごす。二人の妹も、新聞配達や空き瓶拾いで小金を稼いだり、近所のバーや友達の家で時間をやり過ごし、できる限り姉に負担がかからないようにと努力する。

 そんなアグネスに、母親は売春を強要するようになる。突きつけられる過酷な現実に、ときに涙し、心折れそうになりながら、それでもアグネスは自分のため、二人の妹のために懸命に生き抜こうとする。

 とにかく母親がこれでもかっていうくらい最低な人間なのだけど、それでもアグネスにとってはたったひとりの母親。アグネスが泣きながら母親に助けを求めるシーンは、彼女がまだ14歳で、誰かの助けを切実に必要としているということを証明している。

 映画の最後で、3人が車の中で「Ain’t no mountain high enough」を合唱するシーンがある。このシーンは、シリアスなテーマを描いたこの映画に、どこか前向きでユーモアのある余韻を残す素晴らしいシーンだった。

 実はこの映画、監督と脚本と務めたロリ・ペティという人の自伝的映画なのだそうだ。映画化するにあたり、脚色されている部分はもちろんあるのだろうけど、実体験に基づいた話だというのにはびっくりした。以下の記事で、ロリ・ペティとジェニファー・ローレンスの対談を読むことができる。

 いろいろあるけれど、どう生きるかは自分で選ばなければいけない。
 たくましく生きようとするアグネスのその姿は、とてもハッキリと、そう告げている。

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