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「神の眼」が捉えるモノクロの世界。巨匠セバスチャン・サルガドの真髄に迫るドキュメンタリー映画が公開

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出典:http://japan.digitaldj-network.com/articles/27841.html

 エチオピアのコレム難民キャンプという場所で撮られた一枚の写真。撮影したのは、報道写真家・ドキュメンタリー写真家として数々の賞を受賞している、セバスチャン・サルガドというブラジル人写真家だ。「神の眼」を持つと称される彼の写真は、そのほとんどがモノクロでありながらも見るものを圧倒する。そのすさまじい迫力と生々しさは、上の写真を一目見ただけでも十分に伝わるのではないだろうか。

 写真家であり、同時に冒険家でもある彼のドキュメンタリー映画『セバスチャン・サルガド |地球へのラブレター』の公開が8月から始まった。

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実の息子が共同監督として参加

 この映画は、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『Pina/ピナ・バウシュ|踊り続けるいのち』などのドキュメンタリーを製作したことで知られるヴィム・ヴェンダース監督と、セバスチャン・サルガド の実の息子であり映画作家でもあるジュリアーノ・リベイロ・サルガドの共作である。

 セバスチャン・サルガドの生い立ちや経歴を紹介するパートと、実際に彼の撮影に同行し、その様子を捉えたドキュメンタリーのパートで構成されている。私はこの映画を見るまでセバスチャン・サルガドのことをまったく知らなかったが、この映画から彼の人間性というか、人となりがとてもよく伝わってきた。

 何よりも、彼の写真のインパクトがすさまじく、いったいどんな風にしてこんな写真を撮るのだろうと思った。映画では、実際に彼の撮影の様子を見ることができて、それだけでも興味深く見ることができた。何しろ、撮影に行く場所が紛争地や貧困国、炭鉱や未開の部族の住む地など、とんでもないところばかりなので、撮影に同行するだけでも大変だ。

貧困、環境破壊、死

 彼はブラジル生まれのブラジル人だが、結婚後フランスに移住し、そこで初めてカメラに触れることになる。しかし、もともと写真に興味があったわけではないそうだ。妻であるレリアが建築を学んでおり、彼女がカメラを購入したのをきっかけに、セバスチャンが写真にのめり込むようになったのだそう。

 しばらくは報道写真家として、貧困、環境破壊、死など社会的なモチーフを撮り続けてきた彼だったが、そういったものばかり撮り続けることは、同時に自分自身も消耗させることになる。

 映画での予告編でも一部流れているが、ウガンダで撮影していた頃を回想するシーンで彼が語った言葉がとても印象に残った。

もはや人間の救済など信じられなかった。あんな場所で、生きる希望など見出だせるはずがない。

 それまでずっと「人間」を撮り続けてきた彼だったが、ある時期を堺に、撮る対象を大きく変えることになる。動物や大地や空など、「地球」をまるごと被写体にするようになったのだ。

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出典:http://japan.digitaldj-network.com/articles/27841.html

いま在るがままのものを撮る

 映画は、セバスチャン・サルガドが「Genesis」という作品を作る過程を追っている。「Genesis」は、「破壊されたものを撮るのではなく、いま在るがままのものを撮る。我々が必ず守らなければならないものを見せるために」という彼の想いで始められたプロジェクトで、Amazonでも購入することができる。

 久しぶりに、ものすごく良質なドキュメンタリーを見ることができた。生々しい貧困の現実や、それを引き起こす悲劇の歴史も知ることができ、彼のことを知っていても知らなくても楽しむことができる。

 彼の写真展などがあれば、是非足を運んでみたいと思う。

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