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最近読んだ本(と今読んでいる本)

 最近は、ずっと積ん読状態だった本を読み進めたり、新書を何冊か購入して読んでいる。自分の読書傾向として、同じ本を何度も読み返すというのがあるのだけど、9月はそのほとんどが初めて読む本ばかりだった。
 その中でも、特に印象に残った作品を紹介しようと思う。

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「幸福な絶望」(坂口恭平)

 これは8月に書いたエントリで少し触れた。初めて買った「サイン本」でもある。

ある夏の、完璧な1日
起床  朝5:30、iPhoneのアラームで目を覚ます。いつもと変わらない月曜日。ひとつだけ違うのは、今日は仕事に行かなくてもいいというこ...

 坂口さんの著作は「独立国家のつくり方」に続いて2作目。「独立国家のつくり方」とは違い、こちらは自信のHP「0円ハウス」に掲載されていた日記から再構成されたもの。横書きのレイアウトに、ときおり挿入される娘さん(アオちゃん)のイラストがなんとも可愛い。

 坂口さんは自身が躁鬱病であることを公言されているが、書かれている文章を読んでいるととてもそんなふうには感じられない。けれども、躁状態のときと鬱状態のときの精神状態は当然ながら激しく乖離しており、本人の口から語られる生々しいエピソードや描写に思わず引き込まれる。

 帯に書かれている松田美由紀さんの「坂口くんは、家族にずっと恋してるのね」というコピーが、この本のすべてを表していると思う。この本には、坂口さんが毎日どんなふうに家族と接し、奥さんや子どもたちとどんな会話を交わし、それについてどんなことを考えられたのかが、とても綿密に鮮やかに描かれている。月並みな感想になってしまうけれど、この本を読んで私は「自分がもし家族を持つのならこんなふうにしたい」と思った。とても愛にあふれた、思わず頬がほころんでしまうような、そんな本だった。

「ここは退屈迎えに来て」(山内マリコ)

 これは(チェコ好き)さんが書かれていたエントリを読んで、だいぶん前に電子版を購入していた。

 詳しい内容は(チェコ好き)さんのエントリを参考にされたし!なのだけど、私はまずタイトルの「ここは退屈迎えに来て」っていうのがいかにも女性らしい書き方だなと思った。「迎えに来て」って、なんでそんなに受け身なんだと。退屈しているのなら、退屈じゃないところに行けばいいじゃないか、というのが最初に持った感想である。

 私もいわゆる”地方”に住んでいるので、この小説で描かれている風景や登場人物たちが抱く閉塞感や苛立ちなんかには、少なからず共感を持つ部分もあった。けれども、「ではこの人たちは、違う場所に行けば救われるのだろうか、退屈さから自由になれるのだろうか」というと、それはやっぱり違うような気がしたのも事実。

 なんというか、人って耐え難きことには必死で抵抗するものだと思う。だから、私はこの小説の登場人物たちは本当には退屈していなくて、退屈な日常をそれなりに楽しんでいるようにも見えた。だって、退屈で退屈で死にそうなのなら、必然的にそこから出ていこうとするはずだから。

「職業としての小説家」(村上春樹)

 この本に関しては、紀伊国屋の初版買占め報道に絡んで以下のエントリを書いた。

リアル書店にあって、Amazonに無いもの
 こちらの記事を読んで思ったことを。  紀伊國屋書店が、来月発売される村上春樹の新刊を出版社から直接買取り、半ば独占的に国内書...

 どこで買おうか直前まで迷っていたのだけど、近くの書店に電話で確認したら数日遅れで入荷する予定とのことだったの、そのままそのお店で購入した。意外と普通に買えた。

 本書は、「Monkey」という雑誌で連載されていたエッセイに、新たに描き下ろしを加えた形で出版されたもの。村上春樹のエッセイは好きでよく読んでいるけれど、このエッセイはいつもと少し文体が違う感じがした。実際、途中で文体を大きく変更したのだとあとがきで書かれていた。

 村上春樹はエッセイを何作も書いているけれど、例えば「小説家について」とか「書くことについて」みたいなテーマに特化した作品というのはなかったと思う。唯一、「夢を見るために僕は毎朝目覚めるのです」がそれに近い感じがするが、あれはエッセイというよりはインタビュー集なのでまたちょっと違う。

 誰のために書くのか、どのように書くのかについて、村上春樹はさまざまな持論を展開するのだけど、印象深かったのはやはり”走ること”について書かれた部分。「とにかくこれは自分の人生にとって必要なことなんだ、と思って走っている」という内容のことが書かれていて、その捉え方がおもしろいなと思った。私も走るのが面倒に感じたり億劫になったりしたらそう考えるようにしよう。”うまく説明できないけれど、これはとにかく自分に必要なことなんだ”と。

「全ての装備を知恵に置き換えること」(石川直樹)

 これは今まさに読んでいる最中の本。石川さんについては以下のエントリで紹介したことがある。この本はずっと読みたかった作品。

必需品は「何もない」こと。ありあわせのものだけで生きていく、究極のミニマリズム
 「あなたの必需品は何ですか?」  こう聞かれたら、あなたは何を自分の「必需品」として挙げるだろうか?  携帯電話、パソコン、車、家...

 「全ての装備を知恵に置き換える」というのは、上記エントリで紹介している動画で石川さんが話されているように、「いかに裸に近い状態で旅を続けるか」という彼なりの美学でありスタイルである。

 23歳で七大陸最高峰の登頂に成功した著者。自身で撮影した写真とともに語られる旅の軌跡や哲学に、「旅に行きたい」熱が刺激されて仕方がない。

***

 最近は小説よりもこういったエッセイや自伝のようなものを読むことが増えた。読書というのは、自分の中にある一種の”飢え”を満たすために行うものなので、今の自分はこういう情報を必要にしているんだなというのが分かってなかなかおもしろい。

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