前回の記事からの続きです。
写真を撮りつつ北上を続けるも、雨が本格的に強くなってくる。
禁止区域付近のため封鎖されている道路が多く、またその情報がカーナビには表示されないため、迂回に次ぐ迂回で次第に自分たちがどこを走っているのか分からなくなってくる。
普段ならなんともない雨も、津波の被害を受けた街で遭遇すると脅威に感じられる。
いつも目にしている物事の、見たことのない表情を見た気になる。
いつの間にか山道を迷走しており、対向車とも全くと言っていいほどすれ違わない。
気が付くと、道路の向こう側が何やら仰々しい。
パトカーと、指示灯を持った人達がたくさんいる。
元居住者だけが通行を許可される禁止区域の入り口に出てしまったのです。
「許可証はお持ちですか?」
目指している場所が違うことを告げると、先導されてUターンし、元来た道をまた戻ることに。
これにこり、そこからは高速へ乗り換え一気に仙台を目指すことに。
牛タン食べて元気だそう。
最初から高速乗ればよかったのですが、せっかく来たからには色々見ながら走りたかったのです…
2日目_仙台→いわき市
いわき市を出てからかれこれ4時間以上経過、ようやく仙台市へ到着。
友人が「ゆでタン」なるものを食べたいというので、こちらのお店へ。
牛タンを様々な調理法で食べられるコースを頼みました。
こっちの牛タンってびっくりするくらい分厚いんですね。
とても美味しかったです。
土砂降りの雨が止みそうにないことと、これからまたいわき市へ戻るための時間を考慮して、今回は松島は諦めることに。
残念といえば残念ですが、仙台で牛タンを食す、という目的は達成出来た。
そしてそれ以上に、そこまでの過程ですでにたくさんのものを見ることが出来た。
帰りは私の運転で、今度は速攻高速に飛び乗りひたすら走る、走る、走る。
いわき市に宿を取っていたので、どうせならなるべく早く帰ってゆっくりしようということで、寄り道もせず走り続けました。
雨半端ない。
夕方、無事いわき市へ到着。
レンタカーを返し、いわき駅から二駅となりの湯本駅へ。
駅からはタクシーで5分ほどで宿へ到着。
今回宿泊したのはこちら。
それほど大きくない宿でしたが、温泉も、料理も素晴らしかったです。
部屋から庭に出ることが出来、その庭に小さな鳥居がありました。
その日は二人共疲れ果て早々に就寝。
3日目_いわき市→東京→自宅
3日目の朝。
日の出前に起床し、温泉に浸かりながら朝日を拝むことに。
こういうときの早起きは全く苦になりません。
朝食までまだしばらく時間があったため、旅館の周りを散歩することに。
温泉街らしく、道路の側溝から湯気がでて硫黄の匂いが漂ってくる。
コンビニでコーヒーを買い、歩きながらすする。
ここにも知らない街の知らない朝。
他のどこにもない、そこでしか得られないもののひとつ。
朝食も美味しく、館主さんもとても良い方でした。
満足して福島県を後にし、お昼発のバスで東京へ。
早起きしたのでバスの中で昼寝、ときどき村上龍。
14時頃、東京駅着。
新幹線の時間まで中途半端に時間があるため、近くの靴磨き屋を探す。
歩いて行ける距離に1件あったので、再び歩き出す。
こちらの記事で紹介した京都の靴磨き屋さんよりもっと大きく、靴の販売もされていました。
旅の汚れを落としてもらい、綺麗な靴で帰路に着く。
夕方、東京から関西へ向かう新幹線に乗り込み、今回の旅を反芻する。
振り返ってみて思うのは、まああれです。
「ほとんど移動しかしてねえ」
ってことです。
ただその移動の中に今回の旅の価値が詰まっているのです。
「移動距離とアイデアは比例する」
私の尊敬する高城剛さんの言葉です。
この言葉の意味と真意を少し垣間見た今回の旅でした。
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