中学生の頃にいちばんよく聴いていたバンド「黒夢」。リアルタイムの世代ではなかったけれど、清春というシンガーと、その曲に思いっきり陶酔していた。
エレキギターを買ってからはひたすらコピーしたし、古本屋で昔のインタビュー雑誌を買ったり、ネットオークションでライブビデオを買ったり、彼らにまつわるものは可能な限り手に取り、目を通すようにしていた。自分の人生に大きなインパクトを与えた存在との、初めての出会いだったかもしれない。
黒夢はデビュー当時から解散(正式には活動停止)まで、一貫して「ライブバンド」というスタイルを貫いていた。「バンドがテレビに出るのはダサい」と、途中からメディアへの露出を極端に減らし、年間200本近いライブをこなす彼らのそのストイックな姿勢に感動した。
いちばん好きな曲は何か、と言われると、たくさんあって迷うのだけど、選ぶならやはり「少年」になると思う。黒夢のことをあまりよく知らない人でも、この曲は耳にしたことがあるのではないだろうか。
「逆らうこと」というその強烈なメッセージは、14歳の男子の中途半端な反逆心を燃え上がらせるには十分すぎた。尾崎豊の「15の夜」が当時の若者に絶大な支持を受けたのと同じように、私にとっては黒夢の「少年」が、自分の心の拠りどころとでも言うべき曲であった。
そんな黒夢は、私のようないちファンに限らず、多くのミュージシャンにも多大な影響を与えている。影響を受けたバンドとして、黒夢や清春を挙げているバンドやミュージシャンはよく目にする。
3/25にリリースされた「Revision Underwear」は、そんな黒夢をリスペクトするインディーズバンドによるカバーアルバムである。未だに、若い世代に影響を与え続けているという事実にも驚くが、参加しているバンドがいわゆるヴィジュアル系だけでなく、ゴリゴリのハードコア・メタルバンドもいるというところもおもしろい。
参加しているバンドで知っているのはHER NAME IN BLOODだけだが、彼らなんてそれこそガチのハードコア・メタルだ。しかも、彼らがカバーする「Can’t see yard」が、バンドにとって初の「日本語による楽曲」なのだそうだ。選曲もシブい。
参加バンドと、カバー曲の詳細は以下のとおり。
『Revision Underwear』
曲名/バンド名
「CAN’T SEE YARD」/HER NAME IN BLOOD
「13 new ache」/THE BROTHELS
「CANDY」/トリルダン
「後遺症-aftereffect-」/yazzmad
「BARTER」/SPEECIES
「HELLO,CP ISOLATION」/THE WASTED
「ミザリー」/SAGA
「BAD SPEED PLAY」/LOKA
「NEEDLESS」/SAY MY NAME.
「SICK」/THE BLACK SWAN
「アロン」/凛
「Heavenly」/Vampillia
自分の好きなバンドを、別の好きなバンドがカバーするのってなんか嬉しいし、どんなふうに仕上がるかというおもしろさがある。
清春も自身のInstagramで「CAN’T SEE YARD」がカッコいいって言ってるし、これは是非とも聴いてみたい。